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2018.12.29 CONTENTS

ニューリテール/D2C 2018年総括/2019-2020年予測

今年も残すところ、あと1日。ちょうど、THE・ STANDARDを創業してもうすぐ約2年が過ぎようとしてます。
この2年間、数多くのニューリテール店舗、D2C事例(ポップアップストア・フラッグシップストアなど)の企画段階からプロデュースを任せていただきました。

弊社では、2019年以降も「ニューリテール」=「ユニークリテール」と位置づけ、今後のオンライン・オフラインを超えた、お客さまとブランドとのエンゲージメントを高める新しいスタイル、ユニークコンテンツ、D2C事例を企画/プロデュースしていきたいと思います。

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毎年、この時期になると、来年の予算どりの提案ラッシュが続くこともあり、最近、いろんな業界のクライアント様、プランナーの方と打ち合わせしていると、「次、何くる?」という話をよくします。

さて、今年一年も、大小入れると30本前後のポップアップショップ やフラッグシップショップのニューリテール企画運営に携わらせて頂いた経験を生かし、ニューリテール市場の傾向をまとめてみたいと思います。

2018年 注目すべきニューリテールの現状と傾向

→アリババ ニュー・リテール戦略
→ストライプインターナショナル ニューリテール提唱
→自動車ディーラーのユニークリテール事業
→学習塾もあるしろたん  フレンドミュージアムのユニークリテール
→「地域創生」をテーマとしたプロスポーツチームの飲食ニューリテール事業
→入場料制 長時間滞在型の書店 「文喫」

2019~2020年

◎注目ポイント

→オンラインとオフラインのリテールブランディングやコンテンツ、その改善を同時に同じメンバーで考え、執行する
→ニューリテール/ユニークリテールの新しいパターンがもっと増える
→2020年世界的スポーツイベントに向けた出店で、東京の街がニューリテールの世界的見本市に!

アリババ ニュー・リテール戦略

オフラインとオンラインを統合(OMO)するニュー・リテール戦略は、この「独身の日」から始まったとも言われている歴史的なキャンペーンの一つ。

2018年で10回目を迎えるアリババグループの「独身の日」は、中国と世界各国から18万のブランドが参加。「天猫国際(Tmall Global)」には75か国・地域から3700種類の商品が販売され、さらに、東南アジアの大手EC会社Lazadaでも買い物キャンペーンを展開し、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナムの6か国で初の「11.11ショッピングフェスティバル」を開催。

「独身の日」終了後に「独身の日の24時間において、オフライン分野で面白い現象が起きている。リアル店舗からオンラインを活用した注文規模が拡大しておりこれが今年の大きなトレンド変化である。

今年の「独身の日」では、コーヒーデリバリーを開始したスターバックスや、外食デリバリーを担当するEle.me(ウアラマ)や、地元に密着したライフサービスを展開する口碑(コウベイ)などを含めて20万店舗が新たに参加しています。

こうした新しく加わったニュー・リテール戦略関連の売上が「独身の日」の売上を牽引していることは間違いなさそう。

ストライプインターナショナル ニューリテール提唱

今年の日本の最大のニューリテールのインパクトはコレではなかろうか。
今年の2月にはストライプデパートメントというECサイトが新設。アパレルEC市場は、ZOZOTOWNやAmazonfashonが上位シェアを占めているが、そのなかで、リアルとデジタルを融合に成功し、オンライン・オフラインを超え、お客さまとのエンゲージメントを高める新しいリテールのあり方「ニューリテール」を、ストライプインターナショナルさんはさまざまなテクノロジーやデータを活用してその実現を進めてます。
そのなかで、ライフスタイルブランド “koe”のブランドコンセプトを体現したホテル経営を渋谷の一等地で行っています。

服を買う場所を提供するだけでなく、食事、宿泊、イベントなど、顧客が自分のライフスタイルを自由に選べる空間。

このように、感動体験や驚きを提供する、オフラインとオンラインを統合(OMO)するニュー・リテール提唱や実験的な試みは、国内外ですでに始まっており、その試みの意図が当事者でないと理解できないようなユニークで新しい施策も今後増えてくると予想してます。
ECとの連動ではないですが、私が2018年に注目したユニークリテールは以下である。

自動車ディーラーのユニークリテール

LEXUS MEETS… (レクサスミーツ)

ブティック × カフェ ×  車両展示 ×  試乗

新たなブランド体験型施設「LEXUS MEETS…(レクサス ミーツ)」を東京ミッドタウン日比谷で3月にオープン。
「LEXUS MEETS…」は、LEXUSに「出会う、触れる、乗る」をテーマに、全てのお客様が気軽に訪れることができ、LEXUS車の魅力とブランドの世界観を様々なかたちで体験することで、LEXUSをより身近に感じていただくことを目的とした施設。

「LEXUS MEETS…」のユニークリテール

1)ブティック&ギャラリー「STEER AND RING」
2)コンセプトカフェ「THE SPINDLE」
3)試乗体験プログラム「TOUCH AND DRIVE」

Mercedes me Tokyo HANEDA 

レストランカフェ×ラウンジ×車両展示×物販

Mercedes me Tokyo HANEDA(2015年〜)には、レストラン、カフェ、ラウンジの3つのスペースがあります。周辺にはメルセデス・ベンツの車両を常時展示し、イベント開催など、お客さまにメルセデス・ベンツの旬な情報を提供。
この試みは、2015年からなので先駆けで、ビジネスマンが日常的に集まる空港内に思い切って常設でつくったことを大きな進化である。

「Mercedes me Tokyo HANEDA 」のユニークリテール

1)ラウンジ
2)レストラン・カフェスペース「eggcellent BITES」「Krispy Kreme Doughnuts」
3)車両展示、物販

しろたん  フレンドミュージアムのユニークリテール

グッズ物販×アミューズメント×学習塾

グッズ販売だけでなく、しろたんの世界が体験できるアミューズメント施設(対象年齢6ヶ月~8歳)を併設。ボールプール、おままごとコーナー、ベビーコーナーがあり、親子で楽しむことができる。

この施設が新しいのは、これだけではございません。
しろたんと一緒の「学習塾」が店舗内に史上初オープン!よって、店に来店する動機が遊ぶでなく、商品を買うでもなく、「学ぶ」ためにしかも定期的に通う理由づくり。

「しろたん  フレンドミュージアム 」のユニークリテール

1)学習塾→定期的に通うきっかけづくり、幼少期からのファン育成
2)アミューズメントスペース「ボールプール、おままごとコーナー」
3)グッズ物販

ポケモンカードステーション

物販×バトルカードステーション   毎日戦える物販店舗
ポケモンカードステーションとは、ポケモンカードゲームを気軽に楽しむことができる常設型スペース。バトルをしたい人、商品が欲しい人、ルールが知りたい人…、いつ遊びに行ってもポケモンカードゲームを快適に楽しめる空間。

近所に住んでいるポケモンカードファンは「毎日通ってまうわ」という感じでしょうw

「ポケモンカードステーション 」のユニークリテール

1)毎日カードイベントが開催
2)ポケモンカードコンシェルジュ
3)ポケモンカード/グッズ物販

北海道日本ハムファイターズ FIGHTERS DINING ROSTER

空港発!「地域創生」をテーマとしたプロスポーツチームの飲食ニューリテール事業

旬の道産食材をメインに提供するファストカジュアルダイニング。
旬の食材をふんだんに使い、選べるデリスタイルのプレートをはじめ、選手とのコラボレーションメニューや、多様なドリンクメニュー。朝はクイックに、昼は選んで楽しく美味しく、夜は仲間とともにスポーツ観戦など、それぞれの時間帯に合わせた楽しみ方を提供。

「FIGHTERS DINING ROSTER 」のユニークリテール

1)選手と道産食材とのWコラボメニュー
2)空港内につくることで、北海道外の方にも気軽に利用できるコンタクトポイント
3)チームのファン以外も楽しめる安らげる店舗設計

入場料制 長時間滞在型の書店 「文喫」

12月11日、青山ブックセンター六本木店の跡地に、入場料1500円を設けた長時間滞在型の書店「文喫」がオープンする。喫茶スペースやイベントスペースなど、長時間滞在を促すさまざまなスペースを設けた。
蔦屋書店さんのブック&カフェとは少し異なるスタイルで、業界の注目を浴びました。

「本を買うことが非日常になってきていて、文化的なにおいのする空間で本と出合うこと自体が価値を持つようになった。その体験価値を拡充する場所を作りたい」というのが狙いらしいです。

「文喫」のユニークリテール

1)本と読者の新しい体験価値の拡充場所
2)入場料を設けることで、本を選定するコンシェルジュ価値にも費用かけられる。
3)喫茶スペースやイベントスペース(長時間滞在を奨励する新しいスタイル)

まとめ

2019~2020年ニューリテール予測

オンラインとオフラインのリテールブランディングやコンテンツ、その改善を同時に同じメンバーで考え、執行する。

そして、実店舗のプロデューサーや店長、スタッフが、ECサイトのコンテンツや改善を考え、SNS発信をすることがもっと当たり前になるでしょう。(当たり前ですが、案外やれていないと聞きます)

引き続き、ユニークリテールの新パターンがもっと増える

・例、アミューズメント×学習塾のようなエンタメ要素と実用要素 が同時にあるニューリテール(リアルショップ&EC)
・例、ファン応援型の競合商品同士のVS出店(リアルショップ&EC)
・例、(カフェだけでなく)昼寝やサウナ、 DIYもできる健康美容物販店舗

のようなパターンが増え、「集客装置=お金払ってでも参加したい話題コンテンツ」となり、来店/アクセス動機の多様化がますます進むと考えられます。

2020年世界的スポーツイベントに向けた出店ラッシュで、東京の街がニューリテールの見本市に!

銀座、表参道、渋谷、お台場、有明などの街周辺に、新しい見たことないパターンのリテールがたくさんでき、それがECやアナリティクス目線でみてもKPIが回収できている。

自社ECで利益率高い、化粧品やヘアケア・ヘルスケア商材は、特にユニークリテールにチャレンジしやすい。ユニークリテール展開でも、「リアルショップ→ECへの誘導」「EC→リアルショップへ誘導」リピート転換を履歴などをみながらトライ&トライできる。基本的に、リピーターをつくることが共通目的であることが多いので、「購買ポイントはオフラインかオンラインでもどちらでもかまわない」という思想がより作り手にも浸透していくことでしょう。

2019年以降、弊社ではポップアップストアのみならず、アンテナショップ、フラッグシップストアの企画プロデュースにも引き続き注力していきます。
オフラインかオンラインにとられずに、2020年に向けて、世界への情報発信できるニューリテール/ユニークリテールを多くプロデュースしていきたいと思います。
そして、「新時代のスタンダードをつくり続けたい」

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yoshida shuhei

代表取締役/プロデューサー

オンラインとオフラインを超えた「ニューリテール」コンセプト開発、デジタルソリューション立案、PR・運営まで全領域を手掛けるプロデュース会社を経営。バブルサッカー、ビリッカーの発起人として、新マーケットを開拓。メトロアドクリエティブアワード審査員、宣伝会議教育講座/SC講座定例講師

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