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2023.11.25 CONTENTS

ポップアップストア、OMOストアを成功に導く企画術と準備・運営・その店舗プロデュース事例

①はじめに

THE・STANDARDプロデューサーの中山哲綸(てつりん)です!

POP UP STORE、 POP UP SHOP、OMOストア、ポップアップイベント、ポップアップカフェ、ポップアップレストラン、、、  

今では様々な呼び方があるポップアップストア運営を年間数十件の店舗プロデュースさせて頂き、様々なご相談を頂く中で、

「そもそも何から考えればいいの?」「誰にどこから頼めばいいの?」

という担当者の方が多くいらっしゃいます。

POP UP STORE、OMOストアを行うために、何から始めればよいか。

今回は最初に行って頂きたいステップについてお伝えさせて頂きます。

②なぜやるのか?目的設定が最重要

・メディアPR話題化、D2Cのタッチポイント創造
・ブランディングや新規顧客開拓、販売促進

などを目的とし海外・国内問わず数多くの事例も急増しており、

現在最も注目されているマーケティング施策となったポップアップストア。

その手法や形態も千差万別だからこそ何から考えればいいか悩んでしまいますよね。

だからこそ大切なのが実施する”目的”。

あまりに当たり前のことなので「当然でしょ?」と思うかもしれませんが、ポップアップストア が流行している分、実施が先行してしまい目的が曖昧なまま進んでいく事例も多く見受けられます。

「たくさん業者とやりとりをして、イベントはイメージ通りできて、社内でも評判はよかった。でもこれで良かったんだっけ?」と満足感はあるものの、”成功”したかといえば、自信を持って言い切れない……。このように結局のところ目的が曖昧だと成功したのかどうか、その評価も曖昧になってしまいます。

自社製品の現状課題を分析し、何を目的にしてポップアップストアという手段をとるのか。限られた予算の中で最大の成果を出すためには、目的をリストアップし優先順位と目標ラインを決め目的を定めることが最も重要で曖昧になりがちな部分です。

何よりポップアップストアの成功を定義することから始めましょう。

ポップアップストア虎の巻「成功の基本10のコト」より

ポップアップストア の目的(成功)を定義する上で必須となる、PR目的or販売目的の考え方を紹介している記事もありますので、こちらもぜひご覧ください。

参照リンク:ポップアップストアとは何か?

③ポップアップストア はなぜ失敗する?

皆様がPOP UP STORE、OMOストアを開催しようと考えた時に、
きっと自社だけでは全てを行うことは難しいですよね。

だからネットで検索したり、すでに付き合いのある会社など様々声をかけて多くの企業に助けてもらう。何もわからなかったけど、これで何とかなるだろうと安心します。

でも、これこそが失敗する要因の一つなのです。

下記は、POP UP STORE、OMOストア、店舗プロデュースに必要な業務を一覧化した図です。

企画から会場探し、店舗デザイン、実施調整、店舗運営、効果測定まで、一つのイベントとしては非常に多くの関係者が携わります。

また、より良い結果を得るためには、各項目ごとの高い専門性、柔軟性が必要になります。

成功を目指し専門性を高めて、関係者は増えたことで伝言ゲーム的に実施目的やイメージがずれることで、成功から遠ざかるという矛盾を抱えています。

④スタートダッシュで決まる!与件整理って?

限られた予算や時間の中で最適な施策を行い、成功率を高めていくために一番初めにやってほしいこと。

それは”与件の整理”です。

与件 = 「推論や研究の出発点として、与えられた条件」

与件とはつまり、解決するべき問題に対する条件のことです。

多くの場合、発注企業の要望を受注側がまとめる際に、企画の前提に共通認識をつくる際に使われる言葉ですが、失敗の要因となる“伝言ゲーム”は、与件が曖昧だからこそ失敗してしまいます。

ビジネスが伝言ゲームになるのは当然のこと。

しかしポップアップストアは関わる要素が多い分、少しのズレが大きなものとなり最終的なアウトプットに大きく影響します。発注者から受注者へ伝えるべき情報を抜け漏れなくスムーズに伝えるために、”与件整理”を活用します。

伝言ゲームの失敗を避けるため、あなたがやりたいと思っていること、感じていることを言語化し論理的に伝えていく必要があります。


スムーズかつ適切な業者選定を行うために、
まず おすすめなのが、”5W2H”をフレームにした与件整理です。

また先ほどお伝えした目的設定においてもこちらのシートを活用頂くと軸のある目的を定義できます。

こちらは私がPOP UPの依頼を頂く際に、内容問わず使用している与件整理フォーマットです。各項目ごとに埋められるだけ埋めて、不明点は確認事項として加筆します。

この5W2Hに基づいた与件をもとに、企画・依頼することで情報が整理され、企画イメージ、予算感、不足情報など抜け漏れなく確認すべき点があぶりだせます。またスムーズに依頼をできることで、最適なアライアンスを組むことができ、結果的に実施効果の高いポップアップストアをつくることができます。

また準備の良い方ですと、詳細なオリエンシートや提案依頼書、その他参考情報などをご用意いただき、出来る限りの多くの情報を伝えて頂けることもあるのですが、実は逆に困ってしまうことも。

「情報量が多く、何が重要かどうか判別がつかない」「結局、誰のために何をしたいのかわからない」といったように、結局意図とズレたアウトプットになったり、要望を反映しすぎて面白みのない提案になってしまいますので、与件を絞り込むことも重要です。.

⑤共通認識をつくる!コンセプトメイキング

もう一つ成否を分ける、重要な要素に”コンセプト”の有無があります。

POP UP STOREにおいて達成したい目的への道筋を5W2Hとすると、全ての起点となるのが”コンセプト”です。

「何を表現したいのか、どんなことを伝えたいのか」施工・造作、コンテンツ、デザインやスタッフの接客に到るまで全ての指標となります。

ポップアップストアにおけるコンセプトの事例を紹介させて頂きます。

【コンセプト事例①:CREMIA Bar表参道】

クレミアの認知拡大を目的として「最高のソフトクリーム体験」をコンセプトにしたPOP UP STORE。

すでに最高のソフトクリームとして話題になっていた”CREMIA”の商品価値を深く体験して頂くため

  • 徹底した調理研修
  • フリーザー洗浄を高頻度化
  • 限定フレーバーや更なる高級メニューのラインナップ
  • お客様が受取可能な状態になってから調理を開始する、出来立て提供オペレーション

など細部にこだわり、最高の体験を提供頂くよう全スタッフが一丸となって努めました。

【コンセプト事例②:error404 】

error404(エラーヨンマルヨン)は、コーディネートされたセレクトセットリングが人気のD2C(Direct to Consumer)ブランド。

商業施設での単体出店としては初となる、ラフォーレ原宿でのPOP UPでは、新規顧客への認知拡大を目的として、トレンド感と親しみを伝えるため「レトロポップ」をコンセプトにブースを作成。

  • ペールトーンのイエローと&ブルーのバイカラーを活かしたブーズデザインで、キャッチーさとトレンド感を表現
  • 木やコンクリート、真鍮の素材感を出し、洗練された印象に
  • インスタグラムCP、サイズ測定ブース、インスタライブ発信など、コミニュケーションを重視したコンテンツ展開

などSNS初の新ブランドとして認知して頂くためのPOP UP を展開しました。

⑥最後に

いかがでしたか?

「目的とか5W2Hとか、コンセプトとか…当たり前でしょ?」

と思うかもしれませんが、考えれば考えていくほど、企画が進んでみて途中で振り返ると、「あれそういえばコンセプトなんだっけ?」となって後付けで考える。。

みたいなこと本当によくあります。

皆様もぜひ5W2Hを生かした与件整理をしてから企画を始めていただけると、考えが整理されてポップアップストアを始める際の強い指針をもつことができます。

THE・STANDARDではコンセプトメイキングから現場運営まで自社で一貫したプロデュースを行っております。”目的”を見据えて一緒に悩ませて頂きますのでお困りの際はぜひお声がけください。

Nakayama Tetsuei

プロデューサー

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