社内カフェにおけるメニュー構成と選定
こんにちは。THE・STANDARDの野口です。
私は現在、社内カフェの店長として、主にメニューの構成や、選定を行っています。
前職が料理人だったということもあり、一般の飲食店と社内カフェを比較しながらお話しできればと思います。
まずメニューを決めるうえで、重要になるのが、「利用者が何を求めているのか」ということです。
真夏日の日に温かい飲み物を選ばれる方は少ないかと思います。
私たちのカフェでも、外気温の変化によって商品の出数が変わってきます。
一般的な飲食店でも、季節によってメニューを変えていると思いますが、そこは社内カフェでも同じです。では、もう少し細かくお話していきます。
「利用者が何を求めているか」を細分化すると、いくつかの構成要素に分かれると思います。
■利用時間
■気候
■利用シーン
加えて、
♦︎飲食する場所
♦︎食の傾向・好み
♦︎目新しさ
簡単に分けるとこんな感じです。
上の3つは飲食店と変わらないかと思いますが、下3つは社内カフェの特徴を表しているように感じます。
まず、「飲食する場所」についてですが、私たちのカフェでは、飲食フロアとオフィス(デスク)での2か所が考えられます。
例えば、ランチのメニューを考える時、飲食フロアでは気にならないことも、オフィスでは匂いや、持ち歩きやすさ、ながら食べができるかなど、様々な要素が絡んできます。
すべてを一気にクリアするのは難しいですが、例えば、ランチメニューでは匂いの少ないものを取り入れたり、持ち運びが容易な容器での提供、軽食は片手で簡単に食べられるものにするなど、利用者がどこで飲食をするかを想定して、メニューを決めることは重要かと考えます。
次に「食の傾向・好み」ですが、簡単に言うと、どういった味が好まれるか、客層を想定したメニュー構成にするといったことが考えられます。
味の好みを知るというのは、正直実際にやってみないとわからないこともありますが、利用者と密にコミュニケーションを取り合い、要望を反映するといった形が一番かと思います。
私たちのカフェでも、日々運営していくうえで分かったもの(辛いものが得意でない方が多いなど)や、アンケートの実施や、利用者と直接話すことで傾向が見えてきたように感じます。
アンケートだけでは、有効的な回答は得られない場合もあり、結局は人と人とのコミュニケーションが1番有益な情報が得られるように感じました。
信頼関係を構築していくうえでも、コミュニケーションは欠かせませんし、飲食店でも同じことは言えますが、利用者の動きや考えを感じ取ったりするというのは、非常に大事なポイントだと思います。
また、一般的な飲食店と違いターゲットを絞った客層ではないので、非常に年齢幅の広い利用者に利用してもらう必要があります。
そのため、ランチメニューの構成も、幅を持たせたメニューである必要があると考えています。
私たちのカフェでは、メニューの柱である、しっかりとした味付けの「チキンオーバーライス」がありますが、反対に持ち運びのできるお弁当、おにぎりやサンドイッチといった軽食はさっぱりとした味付けにするように心がけています。
飲食店では、顔となる柱のメニューがあり、そこにファンがつくという構図になっているかと思いますが、次の「目新しさ」にも繋がることですが、いくらおいしい料理を出しても、バリエーションを持たないと、毎日利用していただけなくなってしまいます。
飽きるという表現が一番合うかと思いますが、私たちのようなカフェですと、飽きられるのが1番怖いように感じます。
次に前段でも少し触れましたが「目新しさ」についてです。
飲食店と社内カフェの明確な違いに、利用頻度があります。
業態によっても、ばらつきはあるかと思いますが、毎日利用するというのは稀かと思います。
社内カフェは当然のように毎日利用される方がいます。逆に言うと、毎日利用していただけるように営業しています。
その中で、少しでも目新しさ、楽しさを感じていただけるように、メニューの入れ替えはもちろん、有名店とのタイアップメニューや、焼き立てのパンや、恵方巻、限定の商品の提供など、イベント要素のあるものを取り入れています。タイアップメニューに関しては、利用者の方からの情報がきっかけで実施に至ったものもあり、実施期間は通常時よりも多い利用をいただくことができました。
どの企画に関しても言えることですが、利用者とコミュニケーションをとることで成功へとつなげられたもので、要望を形にするというのが大きなポイントです。
飲食店と比べると一見、受け身のように感じますが、利用者、クライアントが何を望み、何を目指しているのかを、明確に感じ取らなければ「満足」には繋げられないので、自ら探り、感じ、情報を得るということが何よりも大事だと思います。
ご参考になれば幸いです。