フラッグシップストアとは?進化する東京・日本を拠点とするフラッグシップストア(旗艦店)事例 渋谷/表参道/原宿/青山/銀座
こんにちは。
THE・STANDARD プロデューサー 橘です。
個人的に一年を振り返る事は毎年ありますが、職業病なのか「トレンド予想」であったり「来年再来年に向けて…」などと先の事を考える事が多いような気がします。
「一年はあっという間!!」
というシンプルな感想が出てくるので、来年の事、再来年の事を考えて日々を過ごす事は重要なんだと感じます。
というわけで、僕からのコラム。お時間があれば少しだけお付き合い下さいませ。
冒頭でも少し触れましたが、未来の話を。
「東京」(特に渋谷/表参道/原宿/青山/銀座 など) という街は凄いスピードで進化しております。
これは生まれてこのかたずっと東京に住んでいる僕が感じているので間違い無いでしょう(笑)。世界に向けて「日本」を発信する際、その拠点となるのがやはり首都である「東京」なわけですが、一企業が自らを発信する拠点を置く場合、どのような形、意味があるのか。そんなインバウンド需要が高まる昨今の日本において、今企業が主張したいブランディングの在り方。
今日はそんな事を踏まえて「フラッグシップストア(旗艦店)」について考えてみたいと思います。
弊社フラッグシップストア実績:niaulab(似合うラボ)by ZOZO
弊社実績:「FIGHTERS DINING ROSTER ~DELI & ROAST~」
フラッグシップストア(旗艦店)/コンセプトショップとは
国内外問わず、全国・全世界に展開する「お店」は数多く存在します。それは一つのブランドであっても立地、商品、コンセプト、PR… 様々な要素によって存在する意味は形を変えて展開されます。
そして、ブランドによっては「フラッグシップストア(旗艦店)/コンセプトショップ/コンセプトストア」なるものもあります。
ブランドとして、プラットフォーマーとして、様々な商品ラインナップがありながら、あえてカテゴリーを絞って展開するお店です。キッチン用品に特化してみたり、コスメ商品だけに特化してみたり… 一つのカテゴリーだけでも通年バリエーションがあるアイテム展開が理想ですね。
ブランドで言えばZARAなど。
各シーズンでアパレルアイテムを展開しながらZARA HOMEという名前で生活雑貨、インテリアなど「リビングアイテム」のみで展開するラインを店舗として独立させております。
「私たちのブランドで一つの空間を提案します、没頭してみてください。」
伝えたい内容はこんなイメージでしょうか?これらを踏まえて「フラッグシップストア」です。
—そのブランドの全てが存在し、ブランドのコンセプトや世界観を体現した空間である—
一般的な解釈を含めてフラッグシップストアはこう説明されると思います。
機能的な面でわかりやすくすると
①常にブランドの最新の情報を発信し提案できる「フラッグシップストアの要素」
②一貫したコンセプトを空間でも表現できる「コンセプトストアの要素」
上記の要素を内含している存在だという事です。
「私たちがあなたに伝えたい”全て”がこの店です。」
フラッグシップストアが届けたいメッセージはこれに尽きると思います。
そのブランドが例え多岐に渡った角度の提案があったとしても、軸にあるものはこれだ!と改めて顧客に届けるメッセージになるのです。それは企業が顧客に受け取って欲しい「イメージ」そのものです。
無印良品がそのシンプルな商品を「これがいい」ではなく「これでいい」と広めたように。
ユニクロがその圧倒的商品量を「低価格」、「限定価格」で臨んだように。
海外でも成功する企業ブランドというものはコンセプトを元にフラッグシップストアが訴求した「イメージ」がとても重要になるのです。
それでは現在東京で展開されているフラッグシップストアのご紹介をして参りましょう。
adidas Originals Flagship Store Tokyo
個人的にはですが、原宿においてマップを確認する際に「あ、adidasの近くか」などと位置把握の為の拠点とする事が多いこちらの店舗。シンプルな外観に青いトレフォイルロゴ。立地に合わせたバッチリなヴィジュアルはまさに「街に根付いたストリートカルチャー発信基地」。ストリートと言えば…の定番スニーカー「CAMPUS」の新作リリースに合わせて旬のアーティストを特集するなど、毎回話題には事欠きませんね。
様々なトレンドや情報で移り変わる「今」を商品やイベントで体現できるお店になっています。
ちなみに今年はadidas Brand Core Store Harajukuもオープン。
こちらは「スポーツ」に特化したラインナップで展開。意味としてはコンセプトストアに近いと思いますが、アディダスというブランドの大きさを考えるともう一つのフラッグシップストアと言えるかもしれません。
BEAMS ROPPONGI HILLS
先日オープンしたばかりのBEAMS(ビームス)のフラッグシップストア。2Fがカジュアル、3Fがドレスとなるフロア構成の新店舗の敷地面積は自社最大級。
六本木という立地に合わせた内容は「ハイファッション」、「ハイカジュアル」、「ハイクオリティ」をキーワードに、ビームスが考える“ハイスタイル”を表現していると言います。
自社ブランドレーベルが揃っているのはもちろん、セレクトショップとしてのブランドラインナップやヴィンテージアイテムの販売など、「名バイヤー」が積み上げて来たビームスの根源も確かに主張されています。
バイイングに欠かせない「ハイセンス」も同時に兼ね備えた六本木にふさわしい「ビームスらしさ」を感じますね。原宿という狭い地域の中でもブランドレーベルごとのショップが存在するビームス。昨年立派な新オフィスに移転し、満を持しての六本木進出。個人としては世代的にBEAMS Tを買いに行きながら隣のBEAMS Recordsにも通っていた頃を思い出し感慨深いです。
大戸屋ごはん処新丸の内センタービル店
飲食業において、日本ではあまり多くない旗艦店の考え方。昨年リニューアルを機に創業以来初のフラッグシップストアとしてオープン。オープンキッチンで調理工程が見える利用者とって安心な設計と、デジタルサイネージやタブレットを用いてメニュー案内・注文ができるシステムを採用しました。
このフラッグシップストアを皮切りに今後の新店舗、リニューアル店舗は同様の飲食オペレーションで開業される見込みのようです。そんな最先端なイメージでも変わらず掲げているものが「手作り」、「店内調理」、「ちゃんと美味しい定食」。フロアスタッフの人件費はタブレットによるシステム化でスリムにする狙いがありつつも、調理スタッフにかける想いは変わらず、もしくは今以上に人の力を注ぎたいというスタイルに。
リニューアルでのアップデートを機に、フラッグシップストアという新たなスタンダードを構築することによって既存の全国店舗の底上げも視野に入れた内容です。
まさにフラッグシップ=旗艦としての機能と言えるのかもしれません。
ちなみに大戸屋は「女性でも気軽に入れる定食屋」として人目につく路面店が存在しないのも有名な話。
丸の内のOLさん達をターゲットに入れたフラッグシップストアの立地もきちんと今までの流れを踏襲しているのかと。
企業によってコンセプトはもちろん様々ですが、他の系列店と比べてもフラッグシップストアの「存在意義」は各々かなり注力している内容なのだと感じます。それはこれからの未来、国内外の人々が認識する「企業の価値」というものを形として表現するリアルショップの最終形態なのかもしれません。
弊社ではポップアップストアのみならず、アンテナショップ、フラッグシップストア、コンセプトショップの企画プロデュースにも特化して取り組んで参ります。
より多くの方へ届ける世界への情報発信拠点、一緒に想像と創造してみませんか?
フラッグシップストアを企画検討したい。しかし、実際にフラッグシップストアを出店するためには、物件探しや企画、スタッフ手配、運営、官公庁への申請など、様々な課題をクリアにしていかなければいけません。
より具体的に、フラッグシップストアの会場選定や成功事例やについて知りたい方は、株式会社THE・STANDARDで定期的に開催している複数種類のフラッグシップストアなどの勉強会、交流会にご参加ください。
SHOP INFO
adidas Originals Flagship Store Tokyo
住所: 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5丁目17−4 神宮前トーラス
営業時間: 11:00-20:00
電話:03-5464-5580
BEAMS ROPPONGI HILLS
住所: 〒106-6108 東京都都, 港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ ウェストウォーク 2F・3F
営業時間: 11:00-21:00
電話: 03-5775-1620
橘弘晃HIROAKI TACHIBANA
執行役員 / プロデューサー
自身のバンド活動を精力的に行う傍ら、老舗ナイトクラブのバーテンダーとして飲食業界に入る。某アパレル会社運営のカフェ店舗マネージメントを経て、飲食コンテンツや施工を含むクリエイティブを多く担当。カルチャーにおける背景や変遷を理解し、ターゲットに合わせた具現化が得意。