【2026年考察】これからのフラッグシップストア(旗艦店)の行方~生活者の『正解』を最短で見つけられる体験施設~

【2026年考察】これからのフラッグシップストア(旗艦店)の行方~生活者の『正解』を最短で見つけられる体験施設~

    2026年、フラッグシップストア(旗艦店)の定義は、完全に書き換わろうとしている。 かつて「世界観を伝え、商品を売る場所」だったその空間は、いまや「生活者の『正解』を最短で見つけられる体験施設」へと進化を遂げていきます。

    ECで何でも買える時代に、わざわざ足を運ぶ理由。それは「モノ」の購入ではなく、「迷いの解消」と「所属の確認」にある。

    これからの店舗(フラッグシップストア)が目指すべき「Experience First(脱・販売のみ)」の正体を考察する。

    1. 「探す」を終わらせる場所

    現代の生活者は、無限の選択肢と情報に疲弊している。

    だからこそ、リアルのフラッグシップストアに求められる最大の価値は、「自分の『正解』への最短距離」を提供することだ。

    これまでの店は「比較検討させる」場所だったが、これからは「答え合わせをする」場所になる。 リアルのフラッグシップストアのスタッフは販売員ではなく、「コンシェルジュ」や「コーチ」として機能し、顧客のライフスタイルにおける最適解を即座に提示する。そのためのデータ連携(OMO)であり、対話である。「ここに来れば、迷わなくて済む」。この安心感こそが、最大の来店動機となるであろう。

    2. 「売場」から「部室(Community Hub)」への転換

    物理的な設計において最も劇的な変化は、「在庫スペースの削減」と「コミュニティスペースの拡張」だ。

    商品をうず高く積み上げる時代は終わった。在庫はバックヤードか、あるいはEC倉庫にあればいい。空いたスペースに生まれるのは、ブランドのファンが集い、滞在する「部室(Community Hub)」としての機能だ。

    • 購入目的以外の滞在を肯定する: カフェの併設はもはや標準装備。重要なのは、そこが単なる休憩所ではなく、ブランドの思想に共感する人々が交流する「サロン」として機能しているかだ。
    • VIPラウンジの一般化: かつては一部の上顧客だけの特権だったラウンジやメンテナンス工房を、より広い層(ロイヤル予備軍)へ開放する。購入品を長く愛用するためのメンテナンスを目の前で行うなど、プロセスの可視化が信頼と愛着を育む。

    bibigo|SEVENTEEN MARKET

    3. 「商品」ではなく「哲学(スキル)」を売る

    「体験の提供」をさらに深化させたのが、「学び(School)」の機能の実装である。

    単発のワークショップ(リアルイベント)ではない。継続的にブランドの哲学やメソッドを学べる「スクール」が店舗の主役になる。

    • スポーツブランドの例: 最新シューズを並べることよりも、「理想のランニングフォーム」を教えるスタジオを店舗のど真ん中に据える。シューズはそのための「道具」として、指導の流れの中で自然に提案される。
    • アパレルブランドの例: 服を売るだけでなく、「自分に似合う色やスタイリングの理論」を学ぶ講座を開く。

    ここでは、商品は「ゴール(目的)」ではなく、学びを実践するための「ツール(手段)」へと位置づけが変わる。顧客は商品を買いに来るのではなく、「なりたい自分」に近づくための技術や知識を得るために来店するのだ。

    On Flagship Store Tokyo Ginza(東京・銀座)  オン フラッグシップ ストア トウキョウ ギンザ

    まとめ:2026年の「店舗」の価値

    これからのフラッグシップストアは、もはや小売業の枠を超え、「教育業」や「コミュニティ運営」に近い性質に近づいていきます。

    商品を売るだけなら、自動販売機やEC、コンビニ、スーパーマーケット、ドラッグストアの方が優秀だ。 人間が介在し、物理的な空間を持つ意味。それは、顧客が自身のライフスタイルにおける「正解」を見つけ、それを実践するための「仲間」と「学び」を得られることにある。

    「ようこそ、いらっしゃいませ」ではなく、「ようこそ、おかえりなさい」。 そんな挨拶が似合う「部室」のような場所こそが、今後、生き残るフラッグシップストア(旗艦店)の姿になるかもしれません。


    THE・STANDARD では、ポップアップストア/フラッグシップストア(旗艦店)を開催されたい方々と、日々、勉強会を開催しておりますので、ぜひ応募お待ちしております。

    THE・STANDARDでは、プロデューサーを若干名を募集しております。
    正社員・契約社員契約/業務委託契約など契約条件は相談ください。

    吉田宗平SHUHEI YOSHIDA

    代表取締役

    株式会社THE・STANDARDホールディングス 代表取締役/プロデューサー

    オンリーワンの新業態店舗開発を得意とし、
    「新時代OMOストア」
    「体験型ポップアップストア」
    の出店をトータルでプロデュースする、フラッグシップストア・ポップアップストアの専門会社の創業者/代表取締役。

    個人的な経歴としては、2014年より日本初導入のバブルサッカー、ビリッカー、フットダーツ、スターライズタワー(施設)などの発起人かつマーケティングプロデューサーとして、ニュースポーツ業界の新マーケットを開拓中。300以上のメディア実績あり。

    プレイタス
    http://play-tas.com

    スターライズタワー(東京タワーメディアセンター内)
    https://starrise-tower.com/

    【経歴】
    ◇ 1998年〜2003年 学生時代から映像企画、テレビ番組、LIVEなどプランニングに関わる。
    ◇ 2003年11月~2006年3月 オリオンSP株式会社 プランナー職
    大手飲食メーカーのプロモーション・キャンペーン企画に数多く従事。
    ◇2006年4月〜2006年11月 株式会社スパイスコミニケーションズ PR・プロデューサー職
    ◇2006年12月~2009年  フリーランス プランニングディレクター
    ◇2010年1月〜現在  株式会社サークルキューブ 代表取締役 
    ◇2017年1月〜現在  株式会社THE・STANDARD 代表取締役 
    ◇2023年4月〜現在 グループ会社の株式会社WORKING FOODIE 2023年設立。親会社の株式会社THE・STANDARDホールディングス 2023年設立。

    【賞歴】
    ●「東京ビデオフェスティバル」ビデオケーション賞 受賞(1998年) 
    ●「大阪プラネット映画祭」入選 脚本・編集・製作を担当。(1999年)
    ● 宣伝会議主催「モバイル企画コンテスト」優秀賞×2回(2001年)
    ● おちまさと氏の「プランナーズエージェンシー」にて4回入選(2003-2004年)
    ● ウエディングパーク主催の「演出コンテスト」で最優秀賞受賞(2005年)

    宣伝会議/SC講座定例講師/富山県高岡市出身。

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